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#16【ひねらるきー】

  • オクマサハル
  • 2025年12月22日
  • 読了時間: 4分

 そろそろ、ひねくれていることを認めようと思う。僕は普通も異端も嫌なのだ。しかし、誰かの脳内で自分をキャラクター付けされることを拒否し続けた挙句〈よくわからない人〉と思われているケースが多発している。「そういえばオクくんって、普段何してるの?」と聞かれるたびに、(俺にとっての普段っていつのことだろう?)と考えては言葉に詰まり、えへへ、とぎこちなく笑うだけなのだ。気持ち悪いだろうが、僕もいつかは必ず死ぬので許して欲しい。


 こういったことの原因は〈誰にも俺のことを定義できるものか。〉という天邪鬼な感性によって、僕をふざけた人だと思っていそうな人には真面目な話(日本の景気が悪いとか)を持ちかけて、僕を誠実な人だと思っていそうな人には明らかな嘘(スイカを食べ過ぎて縞模様のおしっこが出たとか)を提供し続けたりしてきたことにある。普通の人だと思われたくないのと同じ分量で、変わった人だとも思われたくないのだ。自己顕示欲が強すぎるあまり、過剰なオリジナリティを求めているということなのでしょうか? だって、世の中のどのマイノリティだって、1よりは多い「集団」じゃん? 僕やあなたのようなたった一人の人間には「マイノリティ」や「少数派」というグループ名はつけられないんです。僕はオクマサハルと言います。こんにちは。


 常識や価値観はいつも、無数の二項対立の中で立ち位置を定めながら次第に出来上がるんだと思う。「はい/いいえ」とか「内/外」「良い/悪い」「値段が高い/安い」「晴れ/雨」「おいしい/まずい」などなど。それらは頭の中では白黒つけられそうに思えても、現実にはグラデーションのようになっていることがほとんどだ。そう考えると、幼稚園児が好きな人の話をするときに「一番好きなのは○○ちゃんで、二番目は、、、」という風になるのはむしろ自然なことにさえ思える。


 えー、突然ですが、あらゆる二項対立の中心よりどっちに寄っているかで、どんな人なのか断定されることを拒否します。僕はいつも「右/左」の真ん中にいるし、「前/後ろ」の真ん中にいる。っていうか「ここ」にいるだけで、真ん中にいるという意識もない。もうこの二項対立の外に出たいと思うけれど、あぁ!ちくしょー!これも「内/外」のグラデーションの中じゃないか。


 ところで僕は赤塚不二夫や立川談志(敬称略)が好きです。この二人の素晴らしさについて今さらこんなところで語ることはしませんが、この二人はひねらるきー(ひねくれ具合の階級)の相当上の方にいる方々だと思います。そして僕がなぜこの二人を好きなのかこの文章を書いていて、ふと分かりました。天才バカボンに出てくる「はんたいのさんせい」とか「忘れようとしても思い出せない」という発想や、立川談志の言う「イリュージョン」(「徳川家康が木下サーカスに入ったっていう話はどうなった?」「あれは寒冷前線が通過した後でしょうね。」「それは気が付かなかった。」みたいなやつ。)だって、既存の価値観の破壊そのものです。あるエネルギーに対して逆のエネルギーをぶつけて破壊するんじゃなくて、脈絡のなさで全てを破壊してくれる。相手が〈赤組〉だからこちらは〈白組〉だと考えるのは、自意識の放棄ですよね。相手が〈赤組〉ならばこちらは〈掃除機〉で行こうとか、あるいは文字でも書けない〈🐍〉にしちゃうとか。ルールなんかないんだから。


 昔はこういう感覚を〈ナンセンス〉と呼んだりしたようですね。それが死語になって以降の赤塚作品や談志落語の評論などでは〈あれはパンクだ〉という表現をよく目にします。でもね、同じこと指していても名前をつけられるとするりとそこから逃れていくのがひねらるきーの住人。僕もそのひとりで天邪鬼だから、パンクロックは大好きだけど、このような、概念を破壊するジャンルのものを「パンクだ」と言って簡単に処理するのが好きじゃないんです。みんなと同じ発想で同じことを言うのは面白くない。だからパンクロックのライブにはとっくりセーターに下駄を履いて行って、クラシックのコンサートには革ジャンを着ていこう。スーツにネクタイで寝て、起きたらパジャマに着替えて、でも無職、とか。あ、そういえば中学三年の卒業旅行の行き先アンケートで、学年中が「ディズニーランド」と「ディズニーシー」のどっちにするかで激論を交わす中、僕だけ「上野動物園」に投票して惨敗したことを思い出した。黒板に書かれた【上野動物園:1】というアンケート結果。あぁ、なんかお腹すいたぜ。

 もし読んでいて何か思うことがあったり、書いて欲しいテーマがあるという方は、このHPの問い合わせフォームからお気軽に送ってみてください。書けたら書きます。

 
 
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