#18【俺のお葬式】
- オクマサハル
- 3 日前
- 読了時間: 3分
友達の結婚式に行くことになったが、白いワイシャツを一枚も持っていなかった。ネクタイも持ってなかった。どちらも普段の生活で使う場面がないから持っていないのだ。あなたが芝刈り機を持ってないのと同じ理由だ。
厳密にいうとワイシャツは一枚だけあった。でも大学の入学式のために買ったそれは一度着用されたのみでほぼ10年間クローゼットで眠り続け、襟のあたりは白っていうか黄色っていうか、マヨネーズみたいな色になっていた。マヨネーズ色のシャツで結婚式に出席するのがマナー違反なのかネットで調べてみたが、マヨネーズ色のシャツに関する記事は出てこなかった。
結局、マヨネーズ色のシャツよりはマシかなと思い、普通の古着の真っ黄色なシャツで出席することにした。マヨネーズ以外に持っていた唯一の無地のシャツがそれだったというのと、そのシャツはパリッとしたタイプじゃなくて多少柔らかい素材だったので、なんとなくネクタイがないのが目立たない気がしたのだ。
式場に到着してみると、マヨネーズ色のシャツはもちろんのこと、黄色いシャツの人も1人もいなかった。というか全員が白いシャツだった。一瞬たじろいだが、黄色いシャツを着ているくせにたじろいでいるのは不自然なので、たじろぐのをやめた(黄色いシャツをやめることはできないので)。冠婚葬祭のマナーは難しいなぁと思いながら、仕方がないので目を閉じて自分の世界に飛び込むことにした。
(結婚式だから黄色いシャツもいけると思ったけどダメだったなぁ。お葬式で黄色いシャツがダメなのは、さすがに俺でもわかるけど。ん、でもなんでお葬式は黄色いシャツがダメなんだろう。俺は自分のお葬式に友達が黄色いシャツで着ても、マヨネーズ色のシャツで来ても構わない。スペシャル感のある服装ならなんでも嬉しい。Tシャツにサンダルとかはちょっと、スペシャル感がないから「俺のお葬式は君の人生に一回だけだよ!? あ、俺の人生にも一回だ。」と言いたくなるので無しだけど、マヨネーズ色のシャツなんて、ずっと着てないからマヨネーズ色になってるわけであって、めちゃくちゃスペシャル感あるじゃん。結局お葬式のときに喪服を着るのって、故人への思いじゃなくて、ありもしないマナーとか世間体っていうものへの気遣いじゃん。俺のお葬式のときにみんなが喪服を着ていたら、なんか俺の死よりもマナーの方が勝ってる感じがしてむしろ寂しいかもな。じゃあ俺は棺桶じゃなくて魚屋で貰った発泡スチロールとかに入ってみんなを迎えて、スペシャル感を演出しようかな。でも焼かれるときに有毒ガスが出ちゃうかな。)
みたいなことを考えていたら、新郎新婦の馴れ初め的な内容のビデオが終わっていた。彼らは何がきっかけで夫婦になったのですか? とりあえず結婚おめでとう。
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